受精

父由来の遺伝情報と母由来の遺伝情報が融合して受精が完了します。

夫婦生活によって腟内に射精されたときには日本の総人口近い数だった精子も、腟内の酸、乾き気味の子宮頸管、子宮内の白血球、子宮内膜のヒダの凹凸と、あらゆる試練にさらされて、最終的に卵子のもとにたどり着く頃には、数十~数百個に減っているといわれています。この中から、卵子を取り囲む卵丘細胞をかき分けて透明帯(卵子の外膜)に潜り込み、真っ先に卵細胞質に到達することのできた、たった1個の精子だけが、卵子と受精するチャンスを得ます。

先体反応により、精子の頭部を覆う先体から透明帯を溶かす酵素が分泌され、1個目の精子が透明帯を貫通して卵細胞質に到達すると、瞬時に卵子を覆う透明帯の性質が変化し、ほかの精子を受けつけなくなるのです。

成熟した卵子は、透明帯と原形質膜のすき間の囲卵腔(いらんくう)に、第一極体とよばれる粒(第一減数分裂の結果、受精に使われないほうの核)を放出しています。いわば第二減数分裂の途中で止まっている状態で、卵子内に精子が入ってくると分裂を再開して第二極体を放出します。つまり、囲卵腔には第一極体が分割した2個の極体に第二極体が加わり、3個の極体ができることになりますが、第一極体から分割した2個は非常に近接しているため、臨床上、3個の極体が観察されることはまれで、2個観察されれば、精子が侵入した、すなわち受精がはじまったと判断します。

卵細胞質内に精子が侵入してから14~20時間がたった頃に、精子由来の核と卵子由来の核が2個寄り添うように並びます。この状態を、前核期といいます。さらに数時間後には、二つの核が融合して1個となり、父母の遺伝情報が混じり合って受精が完了します。

情報更新日:2021年12月9日


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