不動精子の中から生きていて受精能力のあるものを見つけ出します
顕微授精(ICSI/イクシー)を行う際、すべての精子が動いていない場合には、その中に生存している精子がいないかどうかHOS(ホス)テストを行って探します。
生きている精子であれば、浸透圧の低い液体(低張液)の中に入れると精子の尾部が膨張します。
生存精子が見つかった場合には、すばやく浸透圧の正常な液体(等張液)に入れ直し、尾部の形を元に戻してから顕微授精を実施し、受精を期待します。
HOSテストの結果、ほとんど(75%以上)の精子が死んでしまっている状況を死滅精子症、運動能力がなく動いていないだけならば精子不動症と診断します。
死滅精子症で、精液中に生きている精子が見つからなかった場合には、精巣内精子採取術(TESE/テセ)や外科的精巣上体精子回収法(MESA/メサ)などで精巣や精巣上体からの生存精子の回収を目指します。
それでも生きた精子がいなければ、非配偶者間人工授精(AID)のみが奥さまと遺伝的なつながりを持つ子どもを得られる手段となりますが、ご夫婦でじっくりお話しされたうえで選択なさってください。
情報更新日:2021年12月9日