透明帯という殻をやぶって孵化した赤ちゃんは、子宮内膜へと潜り込みます。
着床期の胚である胚盤胞(はいばんほう)は、分割して200~300個程度まで細胞数を増やしています。のちに赤ちゃんになる内細胞塊(ICM)と胎盤になる栄養外胚葉細胞(TE)とで構成されていて、その中央には胞胚腔(ほうはいくう)と呼ばれる大きな空洞ができています。
ところで、ヒトの卵にも透明帯と呼ばれる殻(外膜)があるのをご存じですか? 受精した卵(胚)は、線毛の働きで受精の場である卵管の先端から着床の場である子宮内へと運ばれながら胚盤胞にまで分割し、赤ちゃんは、この透明帯をやぶって出てきます。そう、ヒトの赤ちゃんも孵化(ハッチング)しているのです。透明帯から孵化した胚は、脱出胚盤胞と呼ばれます。
胚盤胞は、卵胞ホルモンの働きで分厚くなり、黄体ホルモンの働きで着床しやすい性質に変わった子宮内膜という大地に、まるで植物の種が根付くように、内細胞塊側から接触。栄養外胚葉細胞とともに潜り込んでいきます。これを着床といいます。
情報更新日:2021年12月9日