タバコは禁煙、お酒はほどほど、カフェイン飲料は日に1、2杯程度
喫煙は造精機能を低下させ、運動率にも悪影響を与え、ときに勃起障害(ED)を招くことがわかっていますので、禁煙は必須です。
また、精子のDNAに損傷を与えることもあるといわれています。
このような精子が増えると、妊娠しづらくなり、着床しても流産の可能性が高くなります。
さらに、小児がんと奥さまの妊娠時の受動喫煙の間に因果関係があるとの報告もありますので、一日も早くタバコはやめましょう。
お酒も、あまりに大量に長期間飲み続けていると、精子濃度が下がり、勃起や射精といった生機能が低下するとされていますので、ほどほどにしてください。
また、カフェイン飲料に関しては、妊娠率に影響するという報告と影響しないという報告がありますので、カフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶などの飲料は日に1、2杯にとどめるようにしておきましょう。
ノートパソコンを膝に置かない、長時間のサウナ利用は避ける、下着はトランクス
精子をつくる酵素にとっての適温は、体温よりも低めの32~34度くらいだといわれています。
ですから、精子製造工場である精巣と精子が運動能力を獲得するための貯蔵庫である精巣上体は、造精機能を高めて精子の質を保つために、陰嚢に入れられて、体外に出されているのです。
ノートパソコンを膝の上に置いて仕事をされたり、サウナを好んで日常的に長時間入ったり、陰嚢を体に密着させることになるブリーフやボクサーパンツタイプの下着を着用されたりすることは、いずれも造精能力を落とし、多少なりとも精子にダメージを与えることになると考えたほうがいいでしょう。
ちょっと神経質すぎるようですが、簡単に改善できることは、今すぐにでも変えていく姿勢が大事です。
精子のためには、下着はトランクスが推奨されていますよ。
精子に影響を与える種類の抗うつ剤の服用や育毛剤の使用はありませんか?
ある種類の抗うつ剤が、精子のDNAにダメージを与えるとの報告がありました。
抗うつ剤を服用していて男性不妊との診断を受けた方は、精神科ないしは心療内科の担当医に不妊治療中であることを告げ、投薬内容をご相談願います。
くれぐれも自己判断で服用を中止することはおやめください。
また、育毛剤の主成分のフィナステリドは抗アンドロゲン薬の一種ですので、理論上は精子数の減少、勃起不全(ED)、射精障害などを引き起こす可能性があります。
こうした副作用はまれですが、男性不妊の素因のある方の場合、フィナステリドの使用をきっかけに悪化するケースもありますのでご注意ください。
情報更新日:2021年12月9日