奇形精子症

どんな病態なの?

特殊な染色液で射出精液中の精子を染めて形態を観察するクルーガーテストで、正常とされる精子が15%以上あれば自然妊娠も期待できますが、4%未満の場合は奇形精子症と診断されます。

精子の奇形は、頭部の奇形と尾部の奇形に大きく分けることができます。

頭部に異常のある精子は、非常に受精しにくいとされています。

妊娠するためには、どんな方法があるの?

【奥さまの年齢も考慮しながら婦人科での不妊治療を受けます】
正常形態精子が4%未満の奇形精子症の場合は、通常、形態に問題のない精子を選んで顕微授精(ICSI/イクシー)を行います。

ただし、施設によっては体外受精(IVF)から試みたり、奥さまのご年齢が20代とお若ければ人工授精(AIH)からスタートしたりすることもあります。

【頭部円形精子症には卵子を活性化するアシストが必要になることも】
頭部が大きく円形の精子ばかりの場合は、奇形精子症の中でも頭部円形精子症と診断されます。

このようなタイプの精子は、本来なら頭部にあるはずの受精に欠かせない卵子活性化因子がないことが多いとされています。

そのため、ごく一部の施設では、電気パルスや薬剤を使って、人工的に卵子に刺激を与える活性化の試みが行われています。

海外では正常な出産例の報告はあるものの、まだ安全性が確立した治療とはいえません。

情報更新日:2021年12月9日


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