体外での培養と受精卵の分割

胚の理想的な分割スピード

媒精やICSIの25~27時間後までに第1細胞分裂が完了した胚の中から、良好胚が得られることが多いといわれています。

順調に分割が進めば、媒精後2日で4細胞期胚に、媒精後3日で8細胞期胚になります。

この時期の胚を初期胚(分割胚)と呼んでいます。

さらに、媒精後5日で胚盤胞に到達した胚は着床率が高いと考えられています。

なお、胚盤胞到達率は、初期胚全体の約50%とされていますが、媒精後3日で8細胞期胚に到達した胚に限れば、その約70%が胚盤胞に達します。

また、初期胚の染色体異常率は約65%との報告もあります。

見た目がきれいな胚でも、胚盤胞にまで達成しないのは、このような胚が含まれているためでしょう。

また、女性の加齢とともに卵子の質が低下し、胚の染色体異常の確率も高まりますので、着床率は下がり、流産率は上がります。

胚培養士は、タマゴシッターです

お二人からゆだねられた胚(受精卵)は、胚培養士(エンブリオロジスト)と呼ばれる高度生殖医療のスペシャリストの管理のもと、胚にとってガス濃度や温度、湿度などが最適な環境に整えられたインキュベータ(胚の保育器)の中で、大切に培養されます。

胚が必要としているエネルギー源やその消費量は、胚の発育段階によって変化します。

実際、自然妊娠の過程で胚が発育することになる卵管内と子宮内では、分泌液の組成は大きく異なります。

そこで、培養環境下においても、培養3日目までの培養液とそれ以降では組成を変更する逐次培養が行われているのです。

情報更新日:2021年12月9日


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