卵管の機能性障害(ピックアップ障害、線毛の機能不全)

どんな病態なの?

骨盤内の炎症(骨盤腹膜炎、穿孔性虫垂炎、子宮内膜症、子宮外妊娠など)により卵管周囲癒着が起こり、卵子がうまく卵管内に取り込めなくなったり(ピックアップ障害)、卵管炎により卵管内にはえた線毛の機能が落ちて受精卵(胚)がうまく運べなくなったり(線毛の機能不全)することがあります。

どちらも基本的不妊検査では見つけづらく、このような卵管の機能性障害は隠れた不妊原因になりやすいとされています。

妊娠するためには、どんな方法があるの?

【卵管周囲の癒着剥離術】……

腹腔鏡(ラパロスコピー)下手術で卵管周囲の癒着をはがすことでピックアップ障害が改善され、夫婦生活や一般不妊治療での妊娠を期待できるようになりますが、術後すぐに再癒着する可能性もあります。

【長期不妊の場合は、隠れた不妊原因を疑い体外受精へ】……

機能性不妊(原因不明不妊)と診断されたカップルは、ここであげたピックアップ障害などを隠れた不妊原因として持っている可能性があります。一定期間、一般不妊治療(タイミング指導6カ月~1年、人工授精6回程度)を行っても妊娠に至らない場合には、体外受精などのARTに進まれることをおすすめします。

情報更新日:2021年12月9日


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