どんな症状なの?
視床下部の機能の異常によって、無月経や排卵障害になることがあります。向精神薬などの副作用、ストレスなどの心因性、摂食障害や急激なダイエットによる無月経などが、この視床下部性無月経にあたります。
ある程度のエストロゲン(卵胞ホルモン)分泌がみられ、子宮内膜が育っている無月経を第一度無月経といい、この場合にはプロゲステロン(黄体ホルモン)製剤を投与(ゲスターゲンテスト)しただけで消退出血が起こります。
一方、まったくエストロゲンが分泌されていない状態を第二度無月経といい、このようなケースではプロゲステロン製剤を投与しただけでは出血は起こらず、エストロゲン(卵胞ホルモン)製剤とプロゲステロン製剤の両方を投与してはじめて月経様の消退出血が起こります。
視床下部性無月経の場合には、どちらの状態もありえます。同じく、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)も第一度無月経から第二度無月経への進行が見られることから、視床下部性無月経に含めて考えられることもあります。
妊娠するためには、どんな方法があるの?
【クロミフェン療法に反応するか診断をかねて投薬】……
診断的な治療としてクロミフェン製剤(クロミッド、クロミフェンクエン酸塩、セロフェンなど)を投与し、排卵が確認されれば視床下部性無月経と診断されます。
【クロミフェン製剤で反応しなければゴナドトロピン療法を行います】……
無月経期間が半年から1年以上になると、クロミフェン製剤に反応しない場合も多く半年間服用しても排卵しない場合は、さらに強力な排卵誘発剤であるhMG製剤を用います。
【カウフマン療法を試し、自然排卵や第一度無月経への移行を期待します】……
無月経が長期化すると第二度無月経に陥る可能性も高くなりますが、体重減少性の無月経の場合、短期間でも第二度無月経になりやすいとされています。第二度無月経の場合には、カウフマン療法を3~6カ月行ったのち投薬を中止し、リバウンド現象によって自然排卵を期待します。自然排卵は起こらなくても、治療後、第一度無月経に変化していることもありますので、その場合にはクロミフェン療法やゴナドトロピン療法を試します。
情報更新日:2021年12月9日