体外受精は、こうして生まれた(歴史的背景)

1978年、イギリスで世界初の体外受精による赤ちゃんが誕生しました。

卵管の異常によって、9年間もの不妊に悩んでいた夫婦に対して、
卵子を体外に採り出して受精させた卵を子宮に戻すことで、卵管を使わずに妊娠を目指すという、
実に大胆な発想の治療を行ったのです。

生理学者ロバート・G・エドワーズと産婦人科医のパトリック・ステップトーが、12年の歳月をかけて行った研究が、見事に実を結んだ瞬間でした。

赤ちゃんの名は、ルイーズ・ブラウン。
ステップトーは、「世界中の人々と喜びを分かち合う」という意味で、その女の子に『Joy(喜び)』というミドルネームを贈ったのだそうです。

のちにルイーズの妹も体外受精で生まれ、今では姉妹二人ともが自然妊娠でわが子を出産しています。

またエドワーズは、この業績が評価され2010年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

日本では、ルイーズ誕生から5年後の1983年、東北大学が国内初の体外受精に成功しています。

情報更新日:2021年12月9日


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