検査では、どんなことをするの?
超音波検査には、腹部の上から超音波を当てる経腹超音波診断と、腟内に入れたプローブから超音波を出す経腟超音波診断の2種類がありますが、不妊治療には卵巣や子宮などの臓器を、より近くから観察できる経腟超音波が向いています。
卵巣や子宮に異常がないかを調べることができるほか、卵胞の数や発育程度を確認したり、子宮内膜の厚さや構造を観察したりします。
いつ受けたらいいの?
経腟超音波検査は、通院のたびにほぼ毎回行われます(排卵時期には、とくに集中的に実施します)。
検査結果から、わかること
超音波画像から子宮形態異常(中隔子宮、双角子宮など)、子宮筋腫や子宮内膜ポリープの有無、子宮腺筋症(子宮筋層内の子宮内膜症)、子宮内膜が厚くならない黄体機能不全などの子宮のトラブル、卵巣嚢腫やチョコレート嚢胞(子宮内膜症)、多嚢胞性卵巣(PCO)などの卵巣のトラブルを診断するのに有効です。
また、卵胞の直径から排卵の時期を正確に予測することができ、継続して観察することで排卵が起こったかどうかもわかります。自然周期の場合には卵胞の直径が約20mmになった頃に、クロミフェン製剤を服用している周期には少なくとも卵胞径が24mmを超えてから排卵が起こります。
超音波検査によって、卵子が排卵されることなく黄体化してしまう黄体化非破裂卵胞(LUF)が見つかることもあります。黄体ができると黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されて体温が上がり、基礎体温の変化だけからは正常に排卵したように見えますので、LUFは基礎体温やホルモン検査ではわからない無排卵です。
子宮内膜は、排卵時期になると“木の葉状パターン”と呼ばれる、3層構造の特徴的な超音波画像を示します。排卵期に木の葉状パターンが見られず、着床期に厚さが8mm未満しかない場合は、仮に黄体ホルモンがきちんと分泌されていても着床が難しいと考えられます。
情報更新日:2021年12月9日