くわしい不妊検査~さらなる精密不妊検査が必要になることも~

基本的不妊検査(スクリーニング検査)で気になることがあった場合には、さらにくわしい精密不妊検査を行い、二人に最適な治療方法を探る助けにします。

検査項目/内容

1.抗精子抗体検査(精子不動化試験)

排卵期にフーナーテストを何度受けても結果が不良になる場合には、女性側が抗精子抗体を持っている可能性があります。奥さまの血液を採取し、分離された血清中に提供された正常精子を入れて、運動率がどの程、阻害されるかをみる試験です。

2.AMH検査

抗ミューラー管ホルモン(AMH)は、排卵に向けて、これから育っていく途中の卵胞(発育卵胞、前胞状卵胞)から分泌されるホルモンで、加齢とともに減少します。このAMHを測ることで、卵巣の予備能や排卵誘発剤への反応性を推測することができます。

3.HOMA-R(インスリン抵抗性)検査

多嚢胞性卵巣(PCO)の方の中には、インスリン抵抗性が高い(つまりインスリンへの感受性が低い)方が多くみられます。インスリン感受性薬剤の服用で排卵障害が改善することがあるため、PCO傾向の方にはインスリン抵抗指数を調べる血液検査を行うことがあります。

4.子宮鏡検査

超音波検査画像で子宮筋腫や子宮内膜ポリープが疑われた場合や、体外受精などでグレードのいい良好胚を移植しても着床しない場合には、子宮口からファイバースコープを子宮内に入れ、水を注入して腔内を広げた状態で中の様子を撮影します。

5.腹腔鏡検査

基本的不妊検査で原因が見つからない場合、卵管の通過障害、子宮内膜症などが疑われる場合などに行うことがある精密不妊検査です。全身麻酔下で腹部に小さな穴をあけて内視鏡と鉗子を挿入し、炭酸ガスで腹腔を膨らせた状態で腹腔中を観察したり、簡単な処置を行ったりします。

6.泌尿器科での男性不妊検査

数回受けた精液検査の結果、男性不妊と診断された場合には、泌尿器科での診察を受けてみることをおすすめします。原因不明のものが多く、投薬治療が非常に効きにくい男性不妊ですが、性腺機能低下症のように投薬が有効な問題が見つかることもあります。

情報更新日:2021年12月9日


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