不育症のリスク因子の種類には、どんなものがあるの?

不育症のリスク因子の中には、治療で流産を回避できるものもあります

早期流産のほとんどは、胎児(受精卵)の偶発的な染色体異常とされていますので、1回の流産で不育症の検査を受ける必要はないでしょう。

ただ、流産を繰り返す反復流産や習慣流産の場合には、そのほかのリスク因子が見つかることがあります。

リスク因子によっては、治療で流産を予防できるケースもありますので検査を受けてみましょう。

不妊治療のすえの待ちに待った妊娠で流産を繰り返されている状況ならば、なおさらです。

また、妊娠10週以降の流産や死産、早期新生児死亡の場合は、たとえ1回であっても妊娠のごく初期の流産に比べると母体にリスク因子がある可能性が高くなりますので、検査を受ける意義はあると考えます。

<反復・習慣流産のリスク因子>

夫婦染色体異常……
夫婦のどちらかに均衡型転座などの染色体構造異常があると、卵子や精子がつくられる際、染色体に過不足が生じることがあります。

子宮形態異常……
双角子宮や中隔子宮など、子宮の形態に異常があると、着床しにくかったり、胎盤や胎児が圧迫されたりするため、流産が起きやすくなるとされています。

母体の内分泌異常……
甲状腺機能亢進症・低下症、糖尿病などがあると流産の可能性が高まります。

凝固異常……
抗リン脂質抗体症候群プロテインS欠乏症やプロテインC欠乏症、第XII因子欠乏症などの一部では、胎盤に血栓をつくることで胎盤梗塞となり、流産や死産を繰り返したり、胎児の発育異常を引き起こしたりすることがあります。

情報更新日:2021年12月9日


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