まだ科学的に証明されていないけれども関連性が示唆される、選択的不育検査
不育症のリスク因子としては、研究者の意見が分かれていて科学的根拠(EBM/Evidence Based Medicine)があるとはいえませんが、不育症と関連性があるとされているものに次のようなものがあります。
これらの検査を行うかどうか、またその実施時期については、担当医とよく相談なさってください。
選択的不育検査の項目
■抗フォスファチジルエタノールアミン(PE)抗体【健康保険適応外の検査×】
抗PE抗体は、まだ研究段階です。
抗PE抗体の中には、病気の原因になるタイプと、ならないタイプがあるらしいというところまではわかってきました。
この抗PE抗体のみが陽性の場合、それが過去の流産の原因とは断定できない状況ですので、積極的に治療を行う対象にはなりません。
■血栓性素因スクリーニング検査(凝固因子検査)【いずれも保険適応の検査○】
- 第XII因子活性……妊娠初期の流産を繰り返す方に、第XII因子欠乏症が認められる場合があります。
- プロテインS活性もしくは抗原……妊娠初期流産、後期流産、死産を繰り返す方に、プロテインS欠乏症が認められる場合があります。
- プロテインC活性もしくは抗原……頻度は低いのですが、不育症の方の一部で低下する症例があります。
- APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)……抗リン脂質抗体症候群や血栓性素因のある方では、APTTが長くなる症例があります。
情報更新日:2021年12月9日