再発の可能性を考えながら、卵管を温存するかいなかを考慮
待機療法……
子宮外妊娠の約1~2割は、自然に胎児の成長が止まって、そのまま母体に吸収されたり、着床部位から剥がれたり(卵管流産)することもあります。
そのためhCGの値が低値の場合や日に日に下がってきているような場合には待機療法を選択することもありますが、慎重に経過を観察する必要があるでしょう。
薬物療法……
欧米では、胎児心拍が確認されず、卵管妊娠の部分の直径が4cm以下で破裂しておらず、血中hCGの値が10000単位/ml以下の場合には、抗がん剤の一種であるメソトレキセートなどの薬物を筋肉注射することで処置を行うこともできます。
血中hCGの値が低下してくるかどうかを観察し、効果を確認します。
手術療法……
着床部位が卵管の場合、卵管を温存するために保存的治療を行うか、根本的治療をねらって卵管ごと摘出するかを選択しなければなりません。
もちろん、すでに卵管破裂を起こして大出血をしているような状況下では、選択肢は開腹手術による摘出しかないでしょう。
大出血が起こっているような状態でなければ、傷が小さくて回復も早い腹腔鏡手術で、卵管を切除してしまうこともできますし、妊娠部位の卵管を切開して胎嚢だけを摘出することもできます。
ただし、保存的治療を選択した場合、絨毛が取りきれずに残る可能性はありますので、hCGの陰性化(10単位/mL以下)まで時間がかかることがあります。
情報更新日:2021年12月9日