低用量アスピリン療法やヘパリンとの併用療法が有効との報告もあります
厚生労働科学研究班(斉藤班)では、プロテインS欠乏症で妊娠10週までの初期流産を繰り返した既往がある場合に、低用量アスピリン療法を行ったところ生児獲得率が71.4%となり、無治療の場合の生児獲得率10.5%よりも有意に高いという結果を発表しています。
妊娠10週以降の流・死産の既往がある場合、次回妊娠時に低用量アスピリン+ヘパリン療法を行ったところ生児獲得率が78.6%(11/14)となり、低用量アスピリン療法単独の生児獲得率7.1%(1/14)よりも有効とする報告(※)もあります。
プロテインS欠乏症とプロテインC欠乏症に対しては、これらの状況を踏まえて治療方針を検討します。
第XII因子欠乏症については、まだはっきりとした治療方針が決まっていませんが、厚生労働科学研究班(斉藤班)では低用量アスピリン療法で生児獲得率80%(28/35)と良好な治療成績が得られています。
※Gris JC. Mercier E, Quere I, et al. Low-molecular-weight heparin versus low-dose aspirin in women with one fetal loss and a constitutional thrombophilic disorder. . Blood. 2004;103:3695-9
情報更新日:2021年12月9日