一度は確かに感じた“命”が消えてしまう計り知れない喪失感
不妊治療を受けていると、どうしても「妊娠判定で陽性が出ること」を夢見てしまいがちですよね。
“流産”と聴くと一歩先を行っているように感じてしまい、ともすればうらやましく思えてしまうこともあります。
でも、どんなにささやかな兆候でも、一度、胎内に感じた命を失うことは、女性にとって堪え難い喪失体験です。
ましてや、それが不妊治療で授かった待ちに待った妊娠なら、なおさらでしょう。
卵管内に着床してしまうことが多い異所性妊娠(子宮外妊娠)も、妊娠の継続は期待できません。
流産を繰り返す不育症も、二人の赤ちゃんを抱けないという苦しみと切なさは、不妊症と同じです。
いずれも、外科的な処置や卵管破裂などで、心にも体にも傷を負うケースも少なくありません。
赤ちゃんを失った悲しみや怒りを、押さえ込んだりしていませんか? 泣くのを我慢する必要は、まったくないのです。
もちろん、この悲しみはパートナーであるご主人さまも同じですが、時間が経過するにつれ、ご自身の体で妊娠や流産を実感したことにより長期間忘れられない奥さまと、そうではないご主人さまの間に、感情の乖離(かいり)が起こってしまうことがあります。
奥さまはつらい想いを一人で抱えることなく、言葉に出してご主人さまに伝えるようにしましょう。
情報更新日:2021年12月9日